血液検査及び凝固検査における検査前過誤の要因
検体保存と その後の処理
  • 蒸発による検体濃縮を避けるため、密閉・密栓した容器に保存する。
  • 血液検査用検体は室温保存が一般的である。冷蔵保存では寒冷凝集素やクリオグロブリンが測定値に影響を及ぼす場合があり、凍結保存では溶血をきたす。
  • EDTA入り採血管では室温保存約4時間で単球や好中球の形態変化(空砲形成、顆粒減少等)が目立つようになるため、末梢血塗抹標本は採血後4時間以内に作成する。
  • 凝固検査用検体は採血後1時間以内に4℃で遠心分離し、乏血小板血漿(ループスアンチコアグラント測定時は血小板数1万/μLcdが理想的)にして測定時まで冷凍保存するのが一般的であったが、採血後4時間以内(PTは24時間以内)に検査が出来る場合にはプロトロビン時間(PT)測定用の検体は室温保存が推奨されている。測定が翌日以降になる場合には-80℃で凍結保存する(凝固第Ⅴ因子及び第Ⅷ因子は特に室温では不安定である)。


※4時間以上経過して作成した末梢血塗抹標本の成績は参考値と心得る。

 
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