どの採血管と抗凝固剤を使えば良いの? 臨床検査に用いる採血管と代表的な抗凝固剤について
 
抗凝固剤入りの採血管に採取された血液は、採血管内での血液凝固反応の進行が阻止され、遠心操作後には上清部分の血漿と下層部分の血球とに分かれます。ちなみに臨床検査に用いられる抗凝固剤をその作用機序で分類した場合、凝固因子の活性化に必要な血中カルシウムイオンを除去するタイプの抗凝固剤と、トロンビン(Ⅱa因子)やXa因子等の活性型凝固因子の作用を抑制するタイプに大別されます。前者としてはエチレンジアミン四酢酸(ethylene diamine tetraacetic acid: EDTA)やクエン酸が代表的であり、後者としてはヘパリンが知られています。カルシウムや鉄等の血中金属イオンは日常検査ではキレート試薬を用いて測定されるため、前者のタイプの抗凝固剤を用いた検体では正しく測定できません。同様に活性化剤として金属イオンを必要とする酵素(アルカリホスファターゼ(ALP)等)についても、前者のタイプの抗凝固剤を用いた検体では正しく測定できません。
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