report

ヘパリン

ヘパリンには長期保存により抗凝固作用が低下したり、時間経過とともに検体が凝固することがある等の欠点がありますが、他の多くの抗凝固剤がカルシウムイオンと結合して抗凝固作用を発揮するのに対して、ヘパリンは活性型凝固因子を直接阻害するものであり、電解質、血液pH、染色体分析、リンパ球培養等の検査に適しています。
 ヘパリンは不均一な物質であり、治療目的で人体に投与される場合には低分子化製剤も使用されます。しかしこれらの精製製剤は高価であり、臨床検査領域で(体外で)用いられるのは分子量約5,000〜30,000のものを含む安価な未分画ヘパリン(ヘパリンナトリウム、ヘパリンリチウム等)です。
閉じる